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言語障害があったってCommunication 気持ちを伝えあおう—埼玉県所沢市 失語症患者と家族の集い「けやきの会」
八木 保
pp.175-178
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901738
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1月8日,所沢保健所。毎月1回行われている所沢市「失語症患者と家族の集い」の今年最初の会が行われた。今回は,日頃から集いに参加しているボランティアの企画で「新年会」が催される。午前10:00の開会に向けて,テーブルに花をかざり,患者のサークル活動の作品である書き初めや絵を壁に貼りだす。天気予報では午後からの雪が伝えられ,この冬一番の冷え込みの中,家族に付き添われて患者たちが集まってきた。車いすでの参加者もいる。
岩川直暢氏(失語症患者と家族の集い「けやきの会」会長)の開会のあいさつに引き続いて,遠藤尚志氏(東京都多摩老人センター、言語療法士)によるリハビリテーションの時間になり,きれいに並べてあった机が部屋の隅に押しやられ,2重の輪に椅子が並べられる。患者の家族は別室でミーティングを開くために退室する。「2人1組になって」という遠藤氏の声にボランティアと患者がペアを組んで椅子に座る。「今日のパートナーはどんな人でしょう。お互いに自己紹介し合ってください」。あちこちで握手が交わされ,名乗り合う声で会場がざわつく。みな,胸にネームプレートをつけているが,お互いの目を見ながら,あるいは手振りを交えながら話を交わす。自己紹介の後は順番に,それぞれのパートナーをみんなに紹介する。
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