介護する人々自身にまつわる問題

　重い痴呆に陥った老人の介護に携わる人々の苦労は極めて大きい。その苦労の半分は当の老人に原因がある。けれども残りの半分は介護する人の側に原因がある，といったら怒られそうだが，どうもそう思われる。老人の側の原因を取り除くことは難しいことが多いとすれば，介護する側の原因を減少させることを考える方が利口だと思う。たとえば俳徊をやめさせられないとすれば，俳徊しても差し支えないような対策を取ればよいということになる。