特別記事
感染症分野における保健指導について—特にB型肝炎とエイズをめぐって
苗村 光廣
1
1厚生省保健医療局結核・感染症対策室
pp.628-637
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900545
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はじめに
我が国における近代的な感染症対策は,明治時代になって開始された。第二次世界大戦までは,伝染病,結核,寄生虫病,種痘などが中心だった。戦後になり,上記に加えて,性病,検疫,そして当時乳幼児・小児の死亡や身体障害の大きな原因となっていた伝染病の予防接種などが始まった。
戦後の感染症対策の前進,医学・医療の進歩,生活水準の向上,環境整備の進展などにより,昭和50年代には,感染症の多くはほぼ克服しつつあるのではないかとまで思われるようになってきた。その一方で,ラッサ熱などの国際伝染病やウイルス性肝炎などが注目されるようになってきた。
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