特集 地域における疾病管理と保健婦活動—感染症を中心として
世界と日本のエイズ事情
松田 重三
1
1帝京大学医学部第一内科
pp.691-695
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900301
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はじめに
1981年にはじめてWHO/CDCに報告されたエイズ患者(全てアメリカ人)は,わずかに5名であったが,それから10年経た現在では,確認されているだけでも36万人を数える程に世界中に蔓延してしまった(表1)。
しかも,エイズの原因ウイルスであるヒト免疫不全ウイルスタイプ1(human immunodeficiency virus type-1,以下,HIV-1)に感染しているが,いまだエイズを発症していないいわゆるキャリアは,この10〜50倍近くいると推測されている。また国連の保健担当者は,今世紀末までには世界中で4千万人近くがHIV-1に感染すると予測している。
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