特集 働く人の健康問題と産業保健婦
職場の安全管理と保健婦活動
小澤 乃智子
1
1富士電機東京工場健康管理センター
pp.455-460
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900250
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はじめに
筆者の勤務する事業所は総合電機メーカーのエレクトロニクス部門で,主に電子・制御・伝送機器の開発・製作に当たっている。従業員数,約6000名弱であるが,事業所本体と下請・関連会社との従業員数の比は,本体の方が5割弱とやや少なくなっている。したがって,1つの作業場に下請・元方が混在する作業形態になっていることが多い。安全管理活動も下請・関連会社は協力会組織の下に,元方と協力しながら展開されている。
産業活動の過程で発生する労働災害は,生産活動を停滞させ,被災者に何らかの経済的損失や身体的損傷をもたらすことは避けられない。職場の安全管理はこのような労働災害による人的,物的損失を可能な限り最小限にとどめ,生産活動をスムースに進めるために,災害要因を排除し,作業環境を整え,作業条件を調整して従業員が安心して働けるような場を作る活動である。表1は当事業所で最近5年間に発生した業務上の労働災害件数である。
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