特集 公衆衛生におけるリスクの管理
保健婦活動における危機管理
國分 恵子
1
1福井県立大学看護短期大学部
pp.85-88
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902235
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「公衆衛生活動」の中で果たす「保健婦活動」の位置づけは重要である.特に地方の,それも町村に働く保健婦たちは公衆衛生活動=保健婦活動であるような仕事の仕方をしており,対人保健サービスのみならず,犬・猫の動物衛生からゴミ・廃棄物などの環境衛生,上下水道などの生活衛生の相談まで,多岐にわたって活動している.
このような保健婦を含めて活動歴がおおむね20年以上という保健婦十数人に「活動の過程で“危機”を認識したことがあったか?」と聞いたが,いずれも「あまり記憶にない」という返答であった.筆者の周辺の事例では「結核発病」,「ケースからの受傷」や「ストーカー」などが見聞されるが,このような事例は往々にして「保健婦個々人の力量の問題」として処理されやすく,“危機”の背景を探ろうと試みても,狭い社会では事例の特定が簡単にできてしまい,表面化しにくいのが現実である.
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