連載 アルコール依存症の治療と援助・2
AA55周年国際コンベンションが見せてくれたもの
遠藤 厚子
1
1東京都世田谷区玉川保健所
pp.132-137
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900196
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はじめに
1990年は,AA(Alcoholic Anonymous)の55周年であった。この全世界にわたる巨大な自助グループは136か国の180万人近くのメンバー(1990年1月現在の数)が,同一のステップと同一の伝統に拠って「今日1日」の実践を積み重ねている。そしてこの方法を続けることで,多くのメンバーがどうしようもないアルコール依存症のがんじがらめの状態から,確実に回復している。
日本でも,1975年からAAのメッセージが広まり始めていたが,私自身は保健婦として就職して初めて,その内容を知ることになった。保健所での酒害相談がきっかけでAAを知るのは,何も酒飲みの本人に限らない。AAのオープン・ミーティングには行きたければ,誰でも行くことができる。いつでもどこかでミーティングは開かれている。とは言うものの継続して参加することがまだ私にはできていない。限られた体験でしかないが,AAの持つ力を感じている1人として,大胆にも,国際コンベンションに参加することにしたのである。
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