特集 研究室で役に立つ新しい試薬
膜関連試薬
アラキドン酸カスケード修飾試薬
AA861
吉本 谷博
1
Tanihiro Yoshimoto
1
1徳島大学医学部生化学教室
pp.436-437
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905342
- 有料閲覧
- 文献概要
■構造および特性
コエンザイムQ(ubiquinone)やビタミンK1(phylloquinone)などのイソプレノイド側鎖をもつキノン化合物は,植物や動物に普遍的に分布しており,電子伝達系,血液凝固,光合成などに関与している。AA861は,特異的な化学修飾によって有機合成されたベンゾキノン誘導体のうち,アラキドン酸5-リポキシゲナーゼに対する特異的阻害剤として開発されたものである1,2)。図1にその構造を示してあり,分子量は326.42(C21H26O3)で,その形状は黄色結晶性の粉末である。融点は57.4℃で,アルコール,アセトニトリル,酢酸エチル,クロロホルムなどの有機溶媒にはきわめて溶けやすいが,水にはほとんど溶けない。そのメタノール溶液は,268nmに吸収極大を示す。
Copyright © 1989, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.