研究
N市職員における貧血保健指導の効果判定のための試み
倉方 葉子
1
,
一柳 雅子
1
,
小倉 千恵子
1
,
小川 京子
1
,
森田 峰子
1
,
津野 静江
1
,
山田 琢之
1
,
大野 良之
2
1名古屋市職員健康管理センター
2名古屋市立大学医学部公衆衛生学
pp.741-746
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900115
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はじめに
食料事情が貧困であった時代のわが国では,摂取不足そのものが,健康へさまざまな形で悪影響を及ぼしていた。なかでも貧血は,厚生省農山村貧血研究班1)の発足や,南九州の農村女子では貧血(有病率:29.5%)が,全疾病の34.9%を占めるという調査結果2)が発表されるなど,国民的関心事であった。
1970年の日赤中央血液センターによる献血者調査3)によれば,血液比重が採血基準値(血液比重1.052≒血色素量12.0g/dl)未満の頻度は,献血女子88万7944人のうち19万2980人(21.7%)である。これを米国婦人供血者の血液検査成績3)(7万3783人の婦人の12.6%が血色素量12.3g/dl以下)と比較すると,日本女子の貧血者頻度はより高率であることが明らかであった。
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