特集 最近の保健婦活動 研究論文集
母子保健
3・4歳児の指しゃぶりについて—背景と養育者の対処法
浜名保健所管内保健婦研究会
pp.1024-1029
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207855
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はじめに
指しゃぶりは,発達途上に一過性にみられる問題であり,成長の過程のなかで及ぼす影響力は,他の幼児期に比べ,少ないと思いがちであった。そのため3歳児健診を最後にそれ以降特別な問題がない限り,指しゃぶり児と接触がないのが現実であり,それでもよいと考えていた。しかし口腔領域からみても,4歳を境に不正咬合発生に大きく影響する1)こと,集団生活の機会が次第にふえて,社会生活をするうえで,さらに気にかける親がふえ,あやまった対応へと進みやすくなると思われる。
指をしゃぶるという行為を通し親子間のかかわり方を改めて考えなおし,指しゃぶりがくせとして定着しないよう,解決への糸口をみつけられるよう援助したいと考えた。そこで,指導の方向性を得るため,指しゃぶりの発生や増強を促すと考えられる要因について実態を把握し,検討を加えた。その結果,親の対応や環境などがあげられた(3歳時点での調査を一次調査とし後述)。そこで,今まであまり研究されていない,指しゃぶりをしていた児の1年後における消失状況と,それに影響を及ぼす親の対応について追跡調査したので報告する。
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