特集 保健婦の世界を外からみると
いま看護に問われているもの—20年間のボランティア活動を通して
髙林 澄子
1
1神戸大学付属病院
pp.1053-1057
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207653
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はじめに
かつてソーヴィという人が,「今日のあらゆる現象のうちで,もっとも異論なく,しかももっとも重大な結果を持つのは,人口の老齢化である」といっている。日本人の平均寿命はどんどん延長し,健康もすぐれず有病率の高い老人たちにも,同様に延命効果があり,世界一の長寿国は決して世界一の健康国ではないところに,医師たちの重責があるといえよう。
一番ケ瀬は「高齢化社会を生きぬくことは,そのときが来てあわてて努力してみても遅すぎる。若い頃からの人生設計のなかで意図され,つみあげられるべきで,"高齢化社会"というのは,高齢時問題だけを考えれば良いのではなく,人間の生き方を含めて,社会全体のシステムが,総合的に変わっていかなければ,生涯を充実して生きていくことは困難である」と述べている。
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