本を読む
―吉川 武彦著―「日本人のこころの病い」
岡田 久恵
1
,
吉川 武彦
2
1千葉市都賀保健センター
2国立精神・神経センター精神保健研究所
pp.1034-1035
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207646
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日常の自分自身を問われる思い
久しぶりに一気に読み終えた本であった。いま私は,地域で老人やら障害者を援助する立場にある。しかし,いったい,どれくらい地域のことを(日本のことを・日本の文化を)わかっているか,地域の人を(日本人を)理解できているのかと,考えさせられた。
著者が取り上げている若者社会の変化,いじめ,登校拒否,老人問題,社会不適応,精神障害者……どれひとつをとっても語りつくせないテーマである。それらを著者がひとつひとつ丹念に,自身の豊富な経験を踏まえて語るにつれ,私は日常の自分自身を問われる思いをしたのであった。
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