特集 喫煙と禁煙
増加する女性・未成年者の喫煙
斎藤 麗子
1
1東京都恵比寿保健相談所
pp.289-294
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207516
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はじめに
喫煙と健康世界会議が昨年11月東京で開催され,それに先立ち「タバコ白書」が厚生省から発表された。タバコに関する内外の研究を集大成したものであり,喫煙の有害性がさらに充分明らかとなった。この数カ月間は,喫煙に関する情報が新聞・テレビ・ラジオ・雑誌等で連日取り上げられ,今までになくタバコ問題が人々の話題にのぼった時であった。これは吸う人も吸わない人も,タバコについて考える良い機会になったかもしれない。諸外国の喫煙対策と比べかなり立ち遅れているわが国であるが,白書と共に喫煙対策がやっとスタートしようとしている。タバコが吸う人だけでなく,周囲の人々にも悪影響のあることに対して,医療従事者としては何らかの対応をせざるを得ない。これは医療従事者自身の喫煙習慣の見直しという域を越え,健康教育や保健指導を行う立場として禁煙指導をどう実施するかということである。
さらに特に問題の多い女性と未成年者の喫煙について認識を深める必要がある。
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