海外事情
中国農村地域未成年者の喫煙実態に関する調査
胡 伊拉
1
FŪ, I-ra
1
1国立公衆衛生院
pp.437-440
発行日 1993年6月15日
Published Date 1993/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900830
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中国東北地方で古くから「三大奇観」とされたものの一つが「煙管をくわえた少女」であることからして,中国のこの地方の未成年者喫煙問題の根深さが知られよう.
1987年に中国のある地域の都市と農村で行われた比較調査によると,原因別死亡順位が呼吸器疾患は,都市では第4位(人口10万比91.83),農村では第1位(同143.06)であった(表1を参照)1).また1985年の中国衛生部で実施した農村部の保健医療サービスの実態に関する調査では,農村地域の慢性疾患罹病率順位は慢性気管支炎は1位(人口千対11.4)を占めた(表2を参照)2).その主要原因の一つとして農村地域住民,特に若年喫煙が考えられる.こうした問題意識から,中国黒龍江省農村地域での未成年者の喫煙実態について,筆者は調査を企画し,省衛生庁の賛同で実施した.それを要約報告して管見を述べたい.
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