特集 第18回自治体に働く保健婦のつどい集録
改めて仕事づくりの基盤を問う
記念講演
働く人の人生を見つめる
山田 信也
1
1名古屋大学医学部
pp.616-627
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207186
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はじめに
保健の活動とは
私は,働く人の健康を守る仕事を自分の専門に選んでから30年ほどになりました。大企業から零細な企業,内職までたくさんの仕事の現場,そしてたくさんの労働者の生活に触れ,専門の仕事の上での医師・研究者だけでなく,保健婦,看護婦そのほか多くの保健衛生の部門で働く人たちや,多くの労働者の友だちができました。外国へも出かけ,専門家同士だけではなく,現場で働く保健衛生に関連した分野の担当者や労働者とも多くの友人を持つようになりました。そうした活動の中で,最初は職業病についての狭い考えしかなかったのですが,しだいに保健についてもっと広い視野で考えるようになりました。
その中で,私は,保健とは,健康に生きることを可能にしていく活動だと考えるようになりました。
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