研究
結婚・出産を経た糖尿病女性の事例
村嶋 幸代
1
,
広瀬 恭子
2
,
吉沢 國雄
3
1神奈川県立衛生短期大学
2元東大医学部保健学科
3佐久市立国保浅間総合病院
pp.124-136
発行日 1983年2月10日
Published Date 1983/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206630
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I.はじめに
慢性疾患の病状は,医療機関における治療のみならず,患者の生活のあり方に深く関わっている。医療関係者は患者に"生活指導"を行うことが多く,患者の生活に関する知識を得ておくことが必要である。しかし,慢性疾患患者が"生活"していく上で,どのような障害が存在し,それがどのように克服されていったのかについて記載されたものは少ないように思われる。
糖尿病は成人の慢性疾患の一つであるが,若年発症者も存在し,特に未婚の女性が発病した場合には,日常生活の中で治療を継続せねばならないこと1,2),糖尿病妊婦では妊娠のトラブルの起こる頻度が高い3〜7)こと等から,結婚の条件が不利になることが考えられる。
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