特集 富山県における総合検診の実際
農村における成人病予防の対応—下村における総合検診
斉藤 節
1
1富山県射水郡下村役場
pp.435-454
発行日 1979年6月10日
Published Date 1979/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206131
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
検診で高血圧が発見されても自覚症状がないということから,それが将来の健康生活にどんな意味を持つのかということがなかなか理解してもらえず,個人としての予防生活や集団としての予防活動にはつながらない。
下村では県推進規定ができる3年前から全村の成人を対象として循環器検診を実施してきた。年を重ねる毎に疾病予防,悪化の防止のためには事後の徹底的な管理が個別的にも集団的にも必要であることを痛感した。①年1回の循環器検診(尿検査と血圧測定)では十分に患者の背景や保健指導のための資料が得られないということと,②検診事後の管理はどうあるべきか,そのためにはどのような対策を持ちどの程度の濃密さで働きかけをすべきかをさぐるために比較的問題点の多いと思われる小地区,小グループを選定して地区活動を始めた。総合検診を通じて地区活動の展開の仕方,その場面における保健婦の役割を考えてみたいと思う。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.