知能障害事典

　本書は，内山喜久雄氏の監修による"心身障害シリーズ"全5刊（情緒障害・知能障害・身体障害・視覚聴覚障害・言語障害）のひとつとして，昨年3月に刊行された。

　今日，障害児（者）へのかかわりが各地で行われているが，障害児（者）を持つ問題はきわめて複雑であり，1人の専門家の力量でとらえるには，その広がりはあまりにも根深い様相を示している。しかも，そうした中で障害児（者）の問題—教育・福祉・医療等全般にわたって，適切な援助に関する文献も少なく，また地域の中に障害児（者）に対して必要な援助内容を相談できる専門家は，まだまだ微々たる存在である。本書は，編者もいうように，このような現実の中の要請にこたうべく編集されているので，ここにその一端を紹介してみたい。