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今後の老人保健医療対策で意見書—別建て制を示唆,保健婦活動も重視
pp.764
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205928
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昨年の春以来検討を重ねていた老人保健医療問題懇談会(厚生大臣の私的諮問機関,山本雄三座長)が10月26日"今後の老人保健医療対策のあり方について"の意見書をまとめ渡辺厚相に提出した。それによると,経済の低成長下,急速な高齢化社会の到来を展望して,①65歳以上老人の健康管理・保健サービスの強化,②70歳以上老人を対象とする全国民の公平な負担による包括的な老人医療費保障制度の創設(別建て制)を提言している。
社会・経済・医療の専門家を中心に構成され,延べ27回に及ぶ検討の結果とりまとめられた意見書は,序論と7部の各論から成っているが,まず序論では,西欧先進国の2〜3倍の速度で老齢化が進行しつつあるわが国は,21世紀には1人の労働力人口で4人の老人を扶養する高齢化社会が到来すること,高度成長から減速成長に転換したわが国経済が,老人対策の財源確保に深刻な影響を及ぼすであろうことに着目,今後の老人保健医療対策は国民各階層が各々の立場で応分の負担を覚悟することを前提に,健康増進,老化・疾病の予防からリハビリまでの一貫した総合的対策を整備する必要があるとしている。
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