連載 講座・保健婦のための環境衛生学・1【新連載】
環境問題と保健婦活動=1
青山 英康
1
1岡山大医学部衛生学教室
pp.626-630
発行日 1975年10月10日
Published Date 1975/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205644
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序—忘れられている生活環境へのアプローチ
昨年11月に山口市で開催された第4回全国国保保健婦学術研究会において,シンポジアム"情報収集とその整理および活用—公害問題を中心に—"の司会をさせて頂き,"今日の公害列島とも呼ばれる我が国の現状の中で,保健婦がその専門性の立場から,果たしてこのような現状の発生を,どの時点で予想し得たのか,予想し得たとすればその時に保健婦はどのようにその事態に対処し得たのか。又もしこれまで予想し得ずに今日に至ったとすれば,なぜ予想し得なかったのか。今日多発している公害問題は果たして,住民の健康問題とは無関係なものなのか"といった問題意識を持って討議を進めることになりました。
その時の討議内容については,他誌1)に詳しく掲載されていますので,これを参照して頂くことにして,結論的には,"公害問題は確かに住民にとって重大な健康問題であった"が,"保健婦が取り組むべき業務の対象とは考えられなかった"というのがこのシンポジアムに参加した保健婦の大勢を占めた意見ではなかったかと思われます。
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