特集 継続看護を考える
調査
青森県相馬村での脳卒中患者の看護状況と看護婦と保健婦の連携の必要性
津島 律
1
,
三浦 久子
2
,
成田 タケ
3
,
村上 リツ
2
1弘前大学教育学部看護学科教室
2弘前大学医学部付属病院
3弘前保健所
pp.326-331
発行日 1973年5月10日
Published Date 1973/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205282
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
脳卒中による死亡は,昭和26年以来常に死因順位の第1位を占め,東北各県においては特に高率である。罹患者のほとんどが半身不随などの後遺症を残すことからいっても,その抱えている問題は大きく,しかも40歳以上の生産年齢層に罹患者が多く,長期療養を要し,看護婦や保健婦の果たす役割は重要である。厚生省で行なった昭和43年の高年者実態調査によると,半年以上の寝たきり老人は34万人と推定されている1)。脳卒中は伝染病と違って罹患者の発生届出制度がないので患者把握が困難であり,集団健診や人間ドック,自発的受診や保健婦の家庭訪問などによってどうにか発見されている。そして,患者に対する病院と地域を結んでの一環した体系による継続的看護が必要であるにもかかわらず,そのような看護は一部の人たちによってしか行なわれていない現状である。松下2)は,新カリキュラムでは総合看護教育をめざすものであるが,現実面では病院に勤務する者は公衆衛生の広い視野を忘れがちになり,また,公衆衛生担当者は病院の細かい専門的業務に理解を欠くことが多いと述べているが,総合看護のためには看護婦と保健婦との連携は欠くことができないものである。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.