特集 '71年・日本の医療
わが町の健康作戦—市町村長の抱負
山本 友一
1
1宇和島市
pp.44
発行日 1971年1月10日
Published Date 1971/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204828
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はじめに「わがまち」を紹介しよう。四国西南部予讃線の終着駅「闘牛のまち宇和島」がそこにある。市制実施以来満50歳になる。人口6万5,000人,周辺に農漁業を控えた消費都市,リアス式海岸特有の風光明媚な豊後水道に面し,「耕して天に至る」……と呼ばれている段々畠が調和し,自然の中に人工的造形美をかもし出している。また一面,人情こまやかな土地柄でもある。
むかしから「医者と寺」の多いまちとよくいわれたものである。だからといってとりわけ病人が多い理由もない……これを国保サイドから眺めてみる場合,昭和44年度年間平均実績から拾ってみよう。被保険者1人当り療養諸費における費用額全国平均1万4,414円,愛媛県平均1万5,699円,当市の平均1万5,410円となり,前年対比約17%の増となっている。これからみるかぎり飛びぬけて高いとはいえない。年間受診率では,全国432%,県456%,当市485%であり,それぞれの平均値よりやや高い状況を示している。現在市内に公私立(歯科を含む)の医療機関が79ヵ所ある。
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