Medical Topics
新しい経口避妊法
鈴木 秋悦
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
pp.58-59
発行日 1970年11月10日
Published Date 1970/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204796
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ピル第1号誕生
経口避妊薬としての,今日のピルの誕生は,1954年に経口投与可能な黄体ホルモン様物質としてゲスターゲンが合成されたことに始まる。その後,プエリトルコで大規模な集団実験的臨床検討が行なわれた結果,非常に優れた避妊効果が明らかにされ,1960年,米国のFDA(食物と薬物に関する許可を与える役所)は,ピル第1号を臨床応用に供することを許可した。現在,ピルは,IUD(子宮内避妊装置法)と共に,近代的避妊法の双壁として,世界的な流行を呼んでいる。性ホルモンを用いての経口避妊薬は,現在,世界の約1800万人の婦人に服用されているといわれており,中でも,米国は,ピル誕生の地としての面目も躍如として,約850万人が,これを愛用しているといわれている。
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