Medical Topics
ベチェット病
長島 正治
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科
pp.58-59
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204701
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はじめに
イスタンブールの皮膚科医ベチェット(Behçet)の名を冠したベチェット病は,ペチェット症候群とも呼ばれ口腔粘膜の再発性アフタ,外陰部の潰瘍,皮膚の結節性紅斑型発疹,眼の再発性前房蓄膿性ブドウ膜炎の4症候がその主要症状となっている。しかしこのほか,消化器系,中枢神経系,心血管系にも多彩な症状をあらわすこともあって,これが単なる皮膚病や眼疾患でないことはいうまでもない。
最近このベチェット病が,わが国で増加の傾向を示し新聞紙上で本症の眼病変にもとずく失明者のリハビリテーションあるいは治療法の早急な確立などの問題が提起され,社会的にも関心が寄せられるようになってきた。
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