第26回日本公衆衛生学会から シンポジウム
地域の保健サーヴィスにおける公衆衛生従事者の役割(1)
吉田 幸永
1
,
井田 直美
2
,
江熊 要一
3
,
中川 弘
4
,
東田 敏夫
5
1京都府日吉町役場
2大阪府富田林保健所
3群馬大学医学部
4大阪府八尾市衛生部
5関西医科大学
pp.46-58
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204429
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●保健婦の立場から
地域オルガナイザーとして
司会 このシンポジウムの課題は非常に幅が広い表現をいたしておるのでございますが,ご承知のように今回の学会におきましては「公衆衛生と地方自治」という中心的な課題があります。昨日も活発なご意見があり,ことに蜷川知事の自信のあるご発言もありました。それを受けとめまして,この課題に答える,という役割があろうかと思うのが,このシンポジウムの目的であります。ここでいうところの「保健サービス」,あるいは「公衆衛生従事者」の概念についての説明は省きます。また司会者として申しますことはレジメに書いてありますので,くわしくは申しませんが,ただレジメに出しておきましたように,国民経済の見せかけの繁栄にもかかわらず,国民の生活と健康の破壊,あるいは地域格差,階級格差というものは温存され,新しい姿で拡大されております。憲法が規定しておりますところの,すべての国民が,健康で文化的な最低の生活を営む権利」がはたして保証されているかどうか,極めて疑問とすべき状態であります。
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