特集 肥満
肥満対策の現況
石川 勝憲
1,2
Katsunori ISHIKAWA
1,2
1大阪大学第二内科
2現国立呉病院内科
pp.565-571
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206572
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肥満は多くの原因をもった1つの症侯群である.したがって原因疾患の検索が必要であり,甲状腺機能低下症,クッシング症候群,インスリノームなどの内分泌疾患等による症候性肥満は原病に対する治療が優先する.しかし,現在の社会において,肥満の原因として大きなウエイトを占めるものは過食と運動量の減少にもとづく単純性肥満であり,従って,肥満の治療は運動を加味しての減食による減量が主体を占めている.
減量に関する今迄の成績は必ずしも芳しくなく1,2),一方,肥満の初期とか,減量の目的・動機をもった人では減量に成功しやすいことを考えると,肥満症治療にとり,最も大切なことは肥満にならない努力にあるといえる.
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