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特集をおえて
pp.128
発行日 1965年3月10日
Published Date 1965/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203361
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私たち「保健婦雑誌」の編集室が,この,言わば「最も大きな」,そして「最も底知れない」テーマと取り組むに当たってまず考えたことは,過去十数年にわたって,本誌へ限りない支援と指導を与えてくださった先生方,読者の皆様の愛情と,つねに日本の保健婦事業とともに歩み,悩み,語り合ってきた数多くの先輩編集者の努力とが現在の私たちの心を奮いたたせ,本誌の歴史にとっても1つの契期ともなるべきこの特集号に結集しているのだ,ということでした.それだけに大きな責任と,きびしく現状をみつめ,明日への方向をみつめる目が必要なことを,いやというほど感じております.
「身のほど知らず」ということばに示されるように,1小冊子である本誌が,独力でこの大きなテーマと取り組むことは,ある意味では危険きわまりないことかもしれません.しかし,あえて私たちをかりたてたものは,数十年の歴史を持つわが国の保健婦事業が,歴史的な発展をつづけながらも,なおかつ多くの悩みを持たざるを得ない現状から,その現状の解析と,その解析にもとつく明日への方向づけのきっかけを,医療と公衆衛生の全領城にわたって少なくとも今の時期においてしておく必要があるとの考えからでした.
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