社会の窓
世論調査のからくり
野口 肇
1
1評論家
pp.48
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203208
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さる7月末,総理府広報室が国民生活にかんする世論調査結果を発表した.ことしで7回めです.この調査対象は全国約700カ所で2万名の満20歳以上の男女を無作為抽出して回収83.4パーセントを集計したものとあります.
これによると,自分の家は「中ぐらい」と思うもの,「中の上」と思うもの,あわせて9割となります.わが国の生活水準の項で戦前より高くなったと答えたのが76パーセント,それを外国にくらべて「ソ連よりやや高く,西ドイツよりやや低い」と位置づけが多かったうえ,将来の生活水準についてはもっと明るいとの答えが50パーセントを突破しています.ほしい耐久財の項では電気冷蔵庫,乗用車,ピアノの順位.いま重点をおいているのは教育,衣食住,家具の充実,貯金,住居の順になり,最後に不満は物価値上げと増税以下ずっとつづきます.
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