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世論調査の科學
牧田 稔
1
1輿論科學協會
pp.14-17
発行日 1951年11月10日
Published Date 1951/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200172
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日曜日の晝食を濟ましてラジオに耳を傾ける。3人の講師がそれぞれ紹介され人口問題に關する放送討論會が始まるところであつた。現在4つの島に閉された過剩な人口を今後どう處理するか,又出生を調節すべきかどうか等について3人の講師はそれぞれの立場から意見を發表した,海外移民,妊娠中絶の制限撤廢國内産業の高度化,未開拓な國内資料の開發等々。このような意見に對して聽衆は賛否を述べ,或いは質疑を重ねていた。
私達は社會的なこの種の問題に對して,多かれ少かれ意見をもつている。殊に自己と密接な關連のあるもの程はつきりした態度を示す。このような各人の意見或いは態度は世論を構成する分子と考えることが出來る。しかしこれらの意見が或る特定層のものだけによつて代表されるか,少數者の利益を代表するに過ぎない場合には眞に社會的な意味を持つた世論とはいい得ない。
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