特集 個別指導と集団指導
集団指導事例
ある育児学級のすすめ方について思う
船川 幡夫
1
1国立公衆衛生院
pp.39-40
発行日 1962年10月10日
Published Date 1962/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202671
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1.はじめに
育児学級,母親学級,マザーズクラス,父親教室など健康な子を生み,育てることを目的とした衛生教育の手段が集団指導として,保健所,町村その他でひろく活用されている.このすすめかた,意義などについて,ここに示された加須保健所における事例を材料として考えてみたい.
まず考えなければならないことは,こういう集団教育というものが,どのような場所でも,画一的な方法でよいかどうかということである.勿論,内容としての医学的,技術的な基礎は,どのような場合でもまず不変であろうが,これが,母親なり父親に教えられる場合には,それぞれ対象の質や生活背景などによつて変つてきてもよい.例えば,極めて育児に熱心な団地の母親のような対象と,町や村に住んでいる比較的低調な母親にたいするものとでは相異してもよいであろう.積極的に育児知識を吸収しようとする意欲にもえたものと,単に引づられ,受身の立場で育児学級に出ているものとではちがつてくる.
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