研究
特定地区総合検診に発見された疾病について
藤野 正子
1
1宮城県気沼市役所
pp.56-58
発行日 1962年5月10日
Published Date 1962/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202577
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国保診療請求書によつて,医療統計をみると市の中央とその他の地区では受診率の差があり,昭和29年より僻地対策のため保健施設事業の一環として実施した内科医師の健康相談も,利用者は少なくしかも同じ人の利用が目立ち,地区民の健康状態の把握もできず,既成資料では正確な地区診断ができなかつたので,一般相談の予算と業務量をみて健康管理の行なわれない成人層に対して健康診断を行ない今後の保健施設事業の考察と資料を得るため,また疾病の早期発見による医療費軽減を目標として,昭和36年5月より8月にかけて市の中央部に1地区,海岸部2地区,山間部3地区に対してそれぞれ公立病院および保健所の協力を得て総合検診を実施した.その疾病をみると市街地では何らかの形で医療を受けているが,ほかの地区では潜在病であることがわかつたので,国保診療統計と比較してその結果を合せて報告致します.対象人員1,039名,検診人員608名,受検率59%で,健康者は31%に過ぎなかつた.蛔虫症,高血圧症,トラコーマ,腰痛症,胃腸病の順で発見され,そのうち容易に予防できる疾病は35%でした.
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