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精神病患者の病院収容とその追跡観察における保健婦の役割について
野原 三洋子
pp.67
発行日 1960年7月10日
Published Date 1960/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202138
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1953年1月に精神病者家族の援助を保健婦業務の中にふくめようとする試験的計画が,アメリカジョージァ(Georgia)州で行われ,その結果州立病院や州衛生部の監督者やスタッフの検討によつて保健業務の中に正式にとり入れられた.この試験的計画によつて保健婦は充分その援助をする能力をもち,又精神病者の家族は援助を待ちこがれているという事実(その中には従来の業務内容にふくまれていたニードもある),保健婦が患者家族に正しい認識を与え又退院後の社会復帰をするための援助を与えることができると,病院は保健婦の活動によつて得た貴重な情報を衛生部を通じてうけとり易くなつたこと,患者家族を援助するためには衛生部がもっと医療資源をひろく配置することなどが明かになつた.
著者はここでC夫人の1例をとりあげその事例を通じて,1)時宜に適した援助,2)地域社会から患者家族がのけものにされないように援助すること,3)地区保健機関(local health agencies)は患者やその家族と病院の間を調整するよう情報の伝達を保つこと,4)地区の各資源を活用すること,などが実際上必要だとみとめられている.
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