附録
カレンダー解説—モネー「セーヌ河」
pp.66
発行日 1960年4月10日
Published Date 1960/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202077
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モネーはよく光の画家と言われます.太陽の直下光と戯れる自然の表情,生きもののように刻々と浮動し,推移する光景を追いつめて年来愈々純一な感性にひたつて一途に生粋の明るい色感を展開してくれたからでしよう.
光によつて色を感知し,色を追つているうちにいつしか,モネーは微妙な個性的感性を確立したのですから,写実的態度からいつとなく主観表現へと絵画を誘つて来たのです.セザンヌと共に近代画にとつて忘れられぬ巨大な存在となつた訳です.
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