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基地業態婦の実態—青森県大三沢町の例
高岡 ふさゑ
1
,
大森 みつ
1
1青森県三本木保健所大三沢支所
pp.41-43
発行日 1958年10月10日
Published Date 1958/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201743
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まえがき
青森県大三沢町は,青森県上北郡の東端太平洋に臨む平野に位している.ここは昭和6年,米人飛行士によつて世界ではじめて太平洋無着陸横断飛行の成功した出発地として知られている.この地に終戦後米空軍基地が設けられ,必然的に米軍兵士を相手とする業態婦が続々と集った.その数は最盛時,2,000人余に達したと言われている.これらの性病対策のため,昭和31年1月,所轄の三本木保健所の支部が設置され,爾来私達はその診療介助,健康相談に当つてきた.長年問題となつていた売春防止法が漸く昭和31年5月公布になり,その全面的発効を33年4月に控えて,業態婦の数は逐月減少をみせはじめた.
私達は売春防止法発効後,少くとも社会の表面から姿を消してゆく業態婦の実態を掴みたいものと考え,次のような調査を試みた.
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