Japanese
English
--------------------
業態婦頸管分泌物からのPPLOの分離
ISOLATION OF PLEUROPNEUMONIA LIKE ORGANISMS FROM THE GENITOURINALY TRACT OF PROSTITUTE
荒井 秀雄
1
,
秋本 武彦
2
,
西蔭 雄二
3
,
佐々木 正五
2
Hideo ARAI
1
,
Takehiko AKIMOTO
2
,
Yuji NiSHIKAGE
3
,
Shogo SASAKI
2
1慶応義塾大学医学部皮膚泌尿器科
2慶応義塾大学医学部細菌学教室
3日本鋼管病院皮膚泌尿器科
1Department of Dermatology and Urology, School of Medicine, Keio University
2Department of Bacteriology, School of Medicine, Keio University
3Department of Dermatology and Urology of Nippon Kokan Hospital
pp.899-901
発行日 1959年9月1日
Published Date 1959/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202633
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
戦後男子尿道炎の主要なる部分を占めてきた淋菌性尿道炎が,1929年Alexander FlemingによるPenicillinの発見から始まつた抗生物質療法の確立により,淋疾に対する治療は甚だ容易となり,症例数も著明に減少してきている。
然しながら,之により,今まで淋疾のもつ排膿,排尿痛等の重大な症状にのみとらわれて比較的症状の軽いためにあまりかえりみられなかつた非淋菌性尿道炎の問題が一般の注意を引く様になつてきた。偶々,昭和26年1)佐世保米軍基地の業態婦より,その腟分泌物塗沫標本中に所謂サセホ菌なるグラム弱陽性桿菌が証明された。之は,軟性下清類似の桿菌のため,性病の感染源として業態婦の存在を社会的に一層認識を深めさせた感があつた。更に此のサセホ菌については1953年Taylerが非淋菌性尿道炎患者に於て,此の菌に類似せるグラム弱陽性桿菌を多数の症例に見出したため,非淋菌性尿道炎の原因に対する探究に拍車をかけたのである。非淋菌性尿道炎の原因菌2)としては主として一種の細菌によるが,又二種以上の細菌によることもある。しかもその細菌の種類は多種多様で,甚だ複雑である。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.