折紙教室
(3)指のすさび
粟津 実
1
1紙道童心流
pp.50-51
発行日 1957年11月10日
Published Date 1957/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201529
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折紙は,むずかしくいいますと,面材を利用する芸術でありまして,中には実用折紙と名付けたコツプや筆洗の折り方などもありますが,私共の"童心流"はどこまでも子達をお客としての可愛いい流れであります,メダカも金魚も元気に泳いでいます,岸辺には色とりどりの花が,天国のように咲きます.
本誌の如き保健婦の専門誌に,折紙講座を開いた訳は,母子に接触される機会の多い職業人として,諸姉のま心が,一枚の色紙や薬包紙を通じて,エンゼルのように,子供達の家々を訪れることを,私共は切望いたします.折紙は,折ると云う技法のみで,全部を仕上げるのを正式としますが,子供達の自由自在な創作力をのばすには鋏と糊をつかつて,容易に目的の形へ近づけるように導きます.木工でいえば,紙は板,鋏は鋸,糊は金槌のいらない釘だと教えます.折り目を正しくするためには,もとになる色紙が,正しい正方形でありませんと,仕上りが美しくなりません,色が指に染まるものや,破れやすい,腰の弱い色紙も困ります.
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