2頁の知識
血清の話
古畑 種基
1
1医科歯科大学
pp.37-39
発行日 1956年2月10日
Published Date 1956/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201118
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(1)
人の血液は,有形成分と血漿とからなつています.有形成分の主なものは赤血球で,その外に白血球,淋巴球,血小板,などがあり,白血球は,また,いろいろの細かい種類に分れています.〔第1図参照〕
血漿は,血液からこれらの有形成分をのぞいたものです.その大部分は血清からなり,この中に繊維素原(フィブリノーゲン)がとけていて,怪我をした時に血が凝固するのはこの繊維素原が繊維素になつて有形成分を一つに凝固さすからです.血漿の中から繊維素原をのぞいたものが血清であります.この血清の中に前に述べた有形成分が浮いておると考えてよろしい.この血清の中には,蛋白,脂肪,糖などの栄養分の外に,いろいろの塩類(カルシウム,マグネシウム,ナトリウム,カリウムなど)と,各種の抗体,ホルモンなどが含まれています.この抗体のうちには,生理的成分として,一般に存在しているものと,病気にかかつたのちに後天的にできるものとがあります.
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