書評
—酒井 哲也,他—医學看護學用語—日・英・独対照/—日本文学協会編集—日本の民衆文芸
pp.67-68
発行日 1955年1月10日
Published Date 1955/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200890
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医学や看護学の用語集は從来もないわけではない.しかしながら,それらはナースの業務などの実際に密着して,日常の要求をよく知つている者によつて執筆されることが少なかつたといえよう.したがつて,ナースにとつて本当にかゆいところに手のとどくといつたような本が乏しいことが嘆かれてきたのが実情である.ナーセス・ライブラリーの一書として出された杉靖三郞博土の「医学用語集」が短時日の間に版を重ね,今だにナースの間に多くの利用者を得ているのは,実際にそれが役立つように手軽に用いることが出来るように工夫されていたからである.
今度やはりナーセス・ライブラリのなかで出た「医学看護学用語」は広尾病院の酒井哲也博士らの共同作業によつてでき上つたものであり,上述の本よりも更に收載用語も多く,かつはつきりと,日英独対照をうたつているところに特色がある.この本の性格は,この本のなりたちを考えれば,それでつくされるともいうことができ,それは,この本の序文にのせられた原素行病院長のことばによつて十二分に察することができる.
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