講座
赤痢の諸問題
金光 克巳
pp.7-10
発行日 1952年7月10日
Published Date 1952/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200310
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赤痢流行は果して防げるか
今年の赤痢は昨年の二倍以上の増加の傾向が見られる。と云つた言葉は昨年も一昨年も聞かされた所である。これでは一体赤痢防疫は何をしているか,科学の力も,人の力も,赤痢流行の前には無力であるのか,非難に満ちた質問をあびせられるのは防疫関係者誰しも屡々経験する所であろう。そしてその答えは或は手をあげたと云い,或は赤痢予防の難しさを語り,或は防疫組織の弱体を嘆くと云つた状況である。
赤痢は人間の人常生活に食い入つているため,日本の現在の経済状況,日本人の教養水準においては赤痢予防は正に難事業であることは誰しも認める所であろう。赤痢の効め手は何か,と云うことは又屡々質問を受ける所であり且誰しも常に考え惱んでいる所であろう。私は何時も次のようにお答えしている。
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