主張
しめくゝり
pp.5
発行日 1951年12月10日
Published Date 1951/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200187
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部屋出入りの度に,戸障子をきちんと閉めず,必ず1寸位あけている人がありますが,そんな人のことを,「しまりのない人」「だらしのない人」と教えられたものです。そんな人は自分の仕事も責任もてず,きちんとしめくくりの出來ない人だといわれます。
物事には始めがあるように必ず終りもまたあります。うぶ聲高く生れ出ずる誕生は人生のはじまりであり,功なり業終えて此の世のつとめを果したものは人生のしめくくりの死があります。學問の道を究めるべく,志をたてて入學するのがそのふみ出しなら,一定の學業を終了した卒業はそのしめくくりになるでありましよう。
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