講座
統計の見方(5)
久保 秀史
1
1國立公衆衞生院
pp.43-45
発行日 1951年7月10日
Published Date 1951/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200113
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14.分散度
度數分布表を作り,平均値の計算がすめば,一應整理は終たように考えられるが,平均値だけでは,度數分布表の正しい代表債であるとは言えない。なぜならば,前回の簡單な例でも分るように,平均値は同じでも,分布の型は,必ずしも同じではない。このことを圖で現わすと,次の圖のようになる。この圏でA分布もB分布も平均値は,同じMであるが,Aは平均値より大きいのも,小さいものもあるが,Bは平均値に近い値の集りである。このように,平均値だけでは,分布の状態を完全に現わすことが出來ない。そこで平均値の他に,分布の状態を現わす方法があれば都合がよい。これが分散度と呼ばれるものである。
分散度又は撒布度と言うのは,簡單に言えば,分布の大きさ,裾の廣がり方を現わすものである。一般に分散度として使われているのは,標準偏差であるが,この他にも二,三のものがある。
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