講座
統計の見方
久保 秀史
1
1公衆衞生院疫學部
pp.16-18
発行日 1950年12月15日
Published Date 1950/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200009
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1.保健婦と統計
統計というと,數學くさい,なんとなく近寄りがたい,つまらないもののように考えている人が多いのではなかろうか,たしかに戰前までは,そう思つていた人が多かつたといつてよい。
戰後の日本は,色々の面で大きな改革がおこなわれた。その一つとして統計が非常に重要視されるようになつた。そして好むと好まざるとをとわず統計なしでは,何事も言えない世の中になりつつある。戰前までの日本は,政治に,經濟に,あらゆる面で,あまりにも感や思いつきで仕事をしていた。從つて議論が百出し,正しい結論が得られにくかつた。これでは,あまりにも科學性がない。正しい統計があれば,故意に横車をおさない限り,議論は自ら一つになつてくる。
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