BOOKS
大滝倫子・牧上久仁子・関なおみ(著)―疥癬はこわくない―痒いところに手が届く爽快な解説
阿彦 忠之
1
1山形県村山保健所
pp.290
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100036
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
最近,全国各地の特別養護老人ホームや老人保健施設などに,「疥癬お化け」が頻繁に出没しているらしい。疥癬の原因となるヒゼンダニには足が4対もあるのに,お化け扱いとは可哀想な話である。しかし,高齢者の介護には普段から大変な労力を必要とするなかで,集団生活の場である施設では,疥癬患者が1人出ただけでも職員の不安は大きく,疥癬を必要以上にこわい存在として忌避的な対応をとるところが多いのも事実である。
たとえば,入所者が疥癬と診断されたら,その皮疹が消失するまで個室隔離を続けるという施設が多い。当保健所では,管内の高齢者施設に出向いて感染症対策の研修会を開催しているが,今年度は,「ムトーハップを通常より濃い目に作り,患者の居室の床や机に毎日スプレーしているが,それで十分か?」といった,耳を疑う質問もあった。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.