特集 コミュニケーション・スキルを磨こう! 「社会心理」の窓から地域をのぞく
保健師業務のなかのコミュニケーション・スキル
西田 公昭
1
1静岡県立大学看護学部
pp.110-117
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100001
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保健師こそ社会心理学を学んでほしい
人は誰でも,コミュニケーションを対人関係の調整に用いている。保健師にとっても他聞にもれず,コミュニケーションは日常的に用いる仕事の実践的道具であり,看護学生の頃からそれなりに重視され,教育されてきた。しかし,それが人の心や行動の結びつきにどのような影響を及ぼすものとして研究され,整理されているのか,といった体系的な心理学的視点からは学ばなかったのではなかろうか。
心理学には,看護師や保健師に馴染みのある発達心理や臨床心理とは別に,「人間が他者や集団とどのように関わっているのか」をテーマとする社会心理学という領域がある。そして社会心理学のなかには,その手段として一般に用いられるコミュニケーションについて研究する部門があり,もっぱら科学的に研究が深められ,整理されてきた。社会心理学の研究は,主に操作的な実験法や社会調査法を用いたデータ実証を行うため,その成果は誰でも応用可能な知見であり,学べば保健師としてもコミュニケーション・スキルを磨きあげるのに大いに役立つだろう。
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