コーヒーブレイク
故旧忘れうべき
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.514
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101208
- 有料閲覧
- 文献概要
「故旧忘れうべき」という小説を昔読んだ記憶がある.私にも少年時に出会い今に至るまで糸のようにつながれているU君のことは忘れ去ることができない.
東北の田舎町の中学校に入った級友のなかに別の町から来た彼がいた.ごつい体格をしており間もなく全町の少年角力大会に出場して優勝したU君は一躍クラスの人気者になったが,間もなく剣道部に入ってここでも頭角をあらわした.私は柔道部に入り稽古を共にできなかったが,3年生の頃体育の時間に相撲試合があり彼ととり組まされた.小兵の私が鮮やかな腰投げで彼を一回転させたときは,仲間も自分も一驚を禁じえなかったものである.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.