グラフ
厳寒の雪の中、患者と看護婦の歓声がわきあがる。—北海道立向陽ヶ丘病院の雪上運動会
鶴川 和子
1
,
本誌
1北海道立向陽ヶ丘病院
pp.136-141
発行日 1984年2月1日
Published Date 1984/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922994
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キュッキュッ,キシッキシッ,雪の上を歩くたびに靴底が鳴る.零下17℃,厳寒の2月の網走.今にも流氷が押し寄せるかのように,シャーベット状に凍ったオホーツク海からの風が膚を刺す.キラキラと空中の水分が凍って光る.戸外に出ることがどうしても少なくなる.
そんな季節に向陽ケ丘病院(精神科)の雪上運動会が開かれる.運動会の日に向けて,病棟ごとに何日もかけて看護婦と患者で雪像作りに取り組む.雪の降る日も,凍てつくような風が吹く日も続けられた,共同作業から生まれるものは大きい.いつしか看護婦と患者の間に何かしら通うものができる.
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