特集2 新しいマスク式酸素吸入療法
脳外科における酸素吸入療法の実際
薄井 幸枝
1
1日本赤十字社医療センター脳神経外科病棟
pp.1020-1023
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922813
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医療機器の進歩と改良により,治療上酸素を必要とする患者に,様々な方法による酸素の投与が可能になった.こうした条件の整備は,それだけ私たち看護婦が患者個々の状態に見合った酸素投与の方法を選択し,適用する必要があるということでもある.臨床で患者個々の状態に応じた適切な酸素療法を行うには,有効な酸素濃度が維持できること,ドレナージ,点滴,モニタリングなどの種々の治療が酸素療法とともにスムーズに行えること,患者にとって苦痛が少なく安全であること,看護ケアが容易に行えること,などを考慮する必要がある.
本院の脳外科病棟では,数年前までは酸素投与の方法として酸素テントを多く使用していたが,最近はレスピレーターを使う患者以外に対しては,鼻孔カヌーラ,フェイステント,フェイスマスクなどを使用することが多くなってきている.脳外科病棟においては呼吸障害を起こす患者も多く,酸素療法を行うことも多いので,日ごろの酸素投与の実際を振り返りながら,有効な酸素投与の方法や看護上の注意点などについて考えてみたいと思う.
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