特集2 新しいマスク式酸素吸入療法
マスク式酸素吸入療法を看護援助を中心に考える
伊藤 美智子
1,2
1北海道大学医学部付属病院第1内科病棟
2北海道大学医学部付属病院第2外科病棟
pp.1007-1013
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922811
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はじめに
術後患者,とりわけ心疾患をはじめとする胸部外科の術後患者などにとって,呼吸管理の苦痛は大きく,また看護に当たる私たちにとっても,安全と安楽への配慮を必要とし,その労力も大きい.
この呼吸管理には,十分な酸素,湿度,温度を必要とし,今まで私たちは,酸素テントと超音波ネブライザーを使用し,この条件を維持するよう努力してきた.しかし,酸素テント内での患者の生活は,蒸し風呂の中での生活と同じで,その苦痛は心身ともに大きい.また,汗疹や創部感染も起こしやすく,その予防には頻繁に寝具の交換や清拭が必要であり,これらの介護,あるいは気道内分泌物の吸引や自力での痰喀出への援助は,テント内の酸素濃度を低下させ,濃度回復までに時間を要し,この間の患者の安楽も必要以上に阻外される.
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