ベッドサイドの看護
脊椎・骨盤に広範な癌転移をきたした患者の体位変換
金田 ミツコ
1
,
東 麗子
1
,
片尾 久枝
1
,
福島 秋恵
1
,
手嶋 旭
1
,
安酸 瑞江
1
1鳥取大学医学部付属病院整形外科病棟
pp.377-382
発行日 1976年4月1日
Published Date 1976/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922599
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はじめに
当整形外科における脊椎疾患は41床中の約2割を占めている.中でも悪性腫瘍の脊椎転移患者は,その経過が長く長期療養に伴う精神的苦痛と,激しい疼痛,痙攣,麻痺などによる身体的苦痛に耐えながら闘病生活を送らなければならない.このように予後不良の患者に対して,私たち看護婦は合併症を最小限にとどめ,心身ともに安楽な生活が送れるよう全力をつくさなければならない.
この患者は,甲状腺癌の第8胸椎,第4腰椎,骨盤,肋骨転移により,わずかの体動でも激痛を伴うため,側臥位をとることは不可能で仰臥位による絶対安静を余儀なくされていた.このように安静を強いられた患者に対して,種々の合併症を予防し回復への意欲を維持させる上からも体位変換は非常に重要な意味をもつ.
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