特集 院内感染はいま
院内感染防止対策—血液から感染するウイルス,特にB型肝炎,AIDSについて
吉原 なみ子
1
1国立予防衛生研究所エイズ研究センター
pp.962-968
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922377
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はじめに
戦後猛威をふるった感染症も,種々の抗生物質の発見やワクチンの開発で激減した.私の勤務している国立予防衛生研究所は,我が国の伝染病の撲滅を目的の1つに戦後設立されて40余年の歴史がある.
設立当初は伝染病の脅威に曝されていた時期であり,結核,赤痢,腸チフス,発疹チフス,ジフテリア,日本脳炎などが主流であった.1950年代後半からポリオのワクチンの開発,試験製造,実用化に成功し,そのための人員が増員された.
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